学は及ばざるが如くせよ
先日さいたま市内を移動中、とある運送会社さんの前を通ると、従業員の皆さんが草刈り機を背負って敷地内の環境整備に汗を流しておられました。
ただ気になってしまったのが、どの方も顔に保護具を装着されていなかったということ。
実は私、自衛隊在職時に草刈り作業で失明寸前のケガをしているのです。
陸上自衛隊経験者であれば、誰でも一度は草刈り作業に従事したことがあるかと思います。今ではコンプライアンス意識も数段上がっていて保護具等も十分に準備されているかと思いますし、なにより個人でアイウェアの装着も気軽にできる環境になっていますので、私が知っている時代よりも安全管理がしっかりしていると思います。
私がケガをしたときは、方掛け式の草刈り機に丸鋸みたいな鉄製の刃を付けて作業しておりました。その作業中に刃が石に当たり、独特な金属音と共に右目に激痛が。その時は目も開くし視界も良好、特に問題にすることもなく任務を全うしたのですが、課業外になっても目の痛みが引きませんでした。当直に連絡をして医務室へ行き、医務室当直の陸曹の方に処置をしていただきました。その時に見せられたのが、上瞼に刺さった刃の破片。大きさは1ミリの半分にも満たない肉眼で見ることが難しい、そんなモノでも立派な金属片。それが物凄いスピードで飛んできたのです。あと数ミリ下に着弾していたら眼球直撃していたと思うと今でも肝が冷える思いです。
巷では『マニュアルは血で書かれている』なんて言葉もありますが、安全管理に関してはどんなに気を使っても使いすぎになることは無いと考えます。
事故は思いもよらぬところから発生するものですから、だからこそ『安全管理は及ばざるが如くせよ』の精神を管理者、従事者共に持っていただきたいものです。