進む二極化
24年の4月に道路交通法が改正され、大型トラックの高速自動車道における最高速度が90kmに引き上げられて早一年が経過しようとしておりますが、なんだか一般道を走るトラックの速度も速くなった気がしませんか?
大型貨物自動車を含む、一部の自動車には運行記録計(タコグラフ)という装置の装着が義務付けられている場合があります。今ではほとんどがデジタル化されており、運送業界ではデジタコなんて呼ばれています。
デジタコに記録される内容は、基本的には運転者名・時間・速度・エンジン回転数・移動距離、GPS連動式であれば移動した経路(所在地)も記録されます。
で、このデジタコは高速道路の料金所のETCシステムとも連動させることができるので、自分が今どんな道を走行中なのかといった情報、高速道・一般道の切り替えも、基本的には自動で行われるのですが、手動で切り替えることもできるようになっております。
本来は不測の事態に備えての切り替えスイッチですが、当然それを悪用しようとする輩も現れるわけでして。。。
たとえば一般道を走っていても、高速道にセットしておけば、運転日報というデータ上は90kmで走っていてもパッと見で問題なく見えてしまうわけでして。。。
もちろん、きちんとした知識のある人(運行管理者等)が見れば一目で見破れるものですが、上からの指示だったりで皆グルなのか、あえて見て見ぬふりをしているのか、真相は当事者しか分かりません。
以前からブラックな労働環境にあると言われている運送業界ですが、先の道交法改正を機に、コンプライアンスを重視しようとする比較的ホワイト寄りな企業と、ブラックをグレーに誤魔化そうとする企業とで、目に見えて分かれて来た気がします。
私も運送業に携わる者として、業界を悪く言いたくはないのですが、自浄作用無くして業界の改善、発展は無いと思っております。
24年度だけでも、数多くの悲惨なトラック事故を見聞きしました。トラックの事故は人的・物的被害が大きくなりがちです。通行止め等により、社会的被害も多くなります。
運送会社も荷主もドライバーも、誰も事故なんて望んでいないはずです。
願わくば、業界全体にコンプライアンス(法令順守)意識が行き渡り、悲惨な事故が一軒でも減って、業界全体の地位向上に繋がって欲しいものです。