りくじょーじえいたいトリビアその2

桜舞い散る中に忘れた記憶と?

 桜が美しく咲き乱れ新年度が始まったこの時期、各所で入学、入園、入社式が行われているわけですが、我らが自衛隊においても入隊式なるものが行われます。

 入隊式が他の入社式等と異なる点は、入社初日に行われるのではなく、着隊からおよそ一週間程度経ってから行われるということですかね。

 自衛隊の新隊員教育隊という所は、陸海空共通で全寮制です。着隊初日は身の回りの物品受領をし、ネーム付けと呼ばれる縫物をしたり、駐屯地の案内をされたりして一日を過ごすはずです。

 二日目以降は制服類を受領し、初日と同じくネーム付けし、ある程度の準備ができたら基本教練という訓練が始まります。

 基本教練とは『気を付け』『休め』『右向け右』等、自衛官が自衛官らしく行動できるようになるための訓練です。武器授与式は入隊式後に行われるため、武器を使用した訓練はこの期間は行われませんので、この期間はひたすらに入隊式までに、最低限自衛官らしく振舞えるように基本教練を繰り返すのです。

 新入隊員にとって初の本番ともいえる入隊式当日は、新隊員のご家族もご招待されて駐屯地あげて盛大に式が行われます。そこでは新隊員による観閲行進も行われ、たかだか一週間前にはシャバっ気あふれるガキんちょだった子供達が、一端の兵隊さんらしくなった姿を見て、目を潤ませる親御さん達も多く見られたりします。

 と、まあ満開の桜っていうと美しく感動的なシーンが多く思い浮かぶのですが、管理(お手入れ)をしなきゃいけない立場となりますと、若干見えてくる景色も変わってくるものでして。。。

 咲いた桜は散るのが定め。目の前に咲いている花は美しく見えても、足元に散った花びらそうじゃありません。となると掃除しないといけまんよね?誰が?もちろん、自衛官です。それも営内者と呼ばれる寮生活をしている人達、の中の、さらに若い人達です。起床ラッパが鳴った直後に行われる日朝点呼が終わると、当直からホウキ持って集合と言われて、朝食前に眠い目をこすりながら掃き掃除に勤しむのです。開花期間中何度も、特に式当日は念入りに。。。

 その他にも、花が散った後にはもっと恐ろしい『毛虫くん退治』が待っていたりします。毎年一定の時期になると、駐屯地業務隊の方々が防虫作業をして下さるのですが、それでもある時を境に、毛虫くんが大量発生します。地面に、壁に、枝から落ちてきたりもします。虫嫌いな私にとっては地獄絵図そのものな状況です。

 そんなこんなもあってか、街中で満開の桜を見る度に、もう少し経ったら毛虫に注意しないとなと思ってしまい、素直にお花見も楽しめないのでした。

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